Charlotte(シャーロット) 〜アニメで時間を盗むということ〜
皆さん、快適なアニメライフしてますか?
夏番アニメが終わっていくこのタイミングは、何とも言えない物悲しい気分になりますよね。お気に入りのあのアニメが終わったから生きる糧が無くなったとか来期のアニメで見るアニメがない!とか。
僕もいくつか夏アニメを見ていたのですが、その中で個人的に「話題性の高いアニメ」がP.A.works制作のアニメ「Charlotte(シャーロット)」です。
※シャーロット及びエンジェルビーツのネタバレ、あらすじが含まれますのでご注意下さいませ。
ビジュアルアーツのレーベルKey所属の麻枝准が原作・脚本を担当していることでも話題になりました。
P.A.で作られた同じ形態の作品として、「Angel Beats!(エンジェルビーツ)」という作品もあります。
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!(エンジェルビーツ、以下、AB)」の感想としては、作品全体を彩る音楽が良質であり、世界観とマッチしている点、個性的なキャラクターからなる学園コメディとしての面白さ、記憶として残りやすい印象的な演出などがいい点として挙げられます。
逆に悪い点としては、コメディパートとシリアスパートがアンバランスである点、後半の展開が駆け足に見えてしまう点だと思っています。※あくまで個人の感想です。
ただ、話数単位で見ると印象的なシーンも多いです。(教室でのきりもみ大回転発射シーン、日向とユイの告白シーン、音無がドナーとなるシーンなど)
その結果、AIRやCLANNADまでの感動はなかったが、「所々が面白いアニメ」という印象がABでした。
そして、夏アニメのシャーロット。
事前の特番で麻枝さんが「ABで学んだことをシャーロットでは踏襲してさらにいいアニメにしている」、と。
大いなる期待をして見た1話は、期待通りのアニメになっていました。 個人的にシャーロット1話で好きな点は、乙坂がKey系列作品で今までにない程のクズ主人公で引き込まれたのが一つ。所謂、異能力系のアニメでは不可欠な能力描写がどういう能力であり、どういう効果を及ぼすのかという点を派手な作画でコミカルに視聴者に提供していた点が一つ。メインヒロインらしき能力者、友利と学園のマドンナ的存在の白柳が登場し、学園物には必要不可欠な恋愛要素が導入で説明されている点が一つ。 とても楽しみました。
では、2話以降はどうでしょう。
簡潔にいうと、「話が分からない」というのが感想です。
やってる内容は大体分かります。
(よくわかるかもしれないシャーロット2話以降のストーリー)
異能力者を集める学校の生徒となる主人公と妹→様々な能力者と出逢い、能力使用を止めさせる主人公と仲間達→妹が自らの能力により死亡→自暴自棄になる主人公→自暴自棄から復活→ジエンドのライブをきっかけにもう一つの能力(略奪)の存在を思い出す主人公→研究施設からの脱出と実兄との邂逅→タイムリープし、妹救出→能力者を狙うマフィアに襲われ、片目を失う主人公(この時、兄の親友である熊耳が友利を庇い、死亡)
見ていた方はご存知かと思いますが、このストーリーは4クールでも、2クールでもなく、全て1クールに詰め込まれているんです。
1〜6話までの内容が上記の文での3つ目あたりになります。残りがが7〜12話までの内容なのです。
誰が見ても思うでしょう。詰め込み過ぎである、と。
アニメの用語で「時間を盗む」という言葉があります。
「時間を盗む」とは、例えば、A君が公園の真ん中の木の前に立っています。これをカット1とします。カット2で公園の外が映り、車が通ります。カット3でBちゃんが公園の入り口から中に入る寄りが入ります。カット4でA君がBちゃんと公園の入り口で喋る横位置が入ります。
この4カットで「時間を盗んでいる」点はどこだと思いますか?
正解は、カット1で木の前に立っていたA君がカット4でBちゃんのいる公園の入り口にいるという点です。
本来では、公園の中心にいるはずのA君がBちゃんの側である公園の入り口にワープするはずないですね。
しかし、カット1から4の間に2カット挟んでおり、その間にA君が移動したと考える事もできます。
これが「時間を盗む」という事です。
演出上で人の配置を変えたい時などに使ったりしますが、辻褄が合わず、違和感の原因に繋がります。
そのため、演出担当の方がキャラの立ち位置などは逐一、気を配っています。つまり、1カット単位で時間を盗まないように注意しているのです。
シャーロットに関しては、時間を盗む盗まないではなく、時間を跳躍している感覚に近いと思います。
少なくとも僕は跳躍する時間について行く事が出来ませんでした。
特に最終話は音速の世界でした。
海外の全能力者の能力略奪を目標に海外を旅する→能力を持ち過ぎて制御が困難になり、再び自暴自棄になる→危うく死にかけた主人公だったが、最後の能力者と兄に助けられ、一命を取り留める→能力過多の反動からか、記憶喪失となった主人公に友利が恋人だと名乗り、幸せな人生にしようと告げる→fin
最終話の概要です。
映画1本分でも、1クール分の内容でもおかしくないと思います。
じっくり腰を据えて作れれば1番よかったのだと思いますが、それが厳しいのであれば原作は麻枝氏にするにしても、脚本をアニメに慣れたスタッフを起用すれば違った展開があったかもしれません。 スタッフにシリーズ構成がいない事を加味すると、麻枝氏に一任していると考えるのが妥当ですが、実のところは分かりません。
それでも、シャーロットの円盤1巻は7000枚超の売り上げと出だしはまずまず好調でこれが1話収録だから売れたのか、Keyのブランド力なのかは定かではありませんが、現状発売されている夏アニメでトップの売上げである事は間違いないのです。
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自分は賛否でいうと、否定的な意見でここまで書きましたが、支持する方の意見も聞いてみたいというのが本意です。
もしよろしければ皆さんの意見も聞かせて下さい。